株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワード様は、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに掲げ、個人・法人向けに多様な金融・バックオフィス領域のサービスを展開する企業です。
同社が提供する「マネーフォワード クラウド契約」は、契約書の作成・申請・締結・保存・管理までを一元化し、企業の契約業務を効率化するサービスです。
当時の営業組織はリーダー不在のタイミングで、SaaSセールスの基準を示し、メンバーを育成できる人材が不足していました。営業定例も報告中心になり、案件の見通しや月次目標達成に向けた具体的なアクションが見えにくい状況でした。
営業組織を改善し、事業成長につなげるためには、単なる営業スキルの向上だけではなく、SaaS営業としての考え方や案件への向き合い方を組織に改めて根づかせる必要がありました。そこで、以前から壁打ちを通じて接点のあった当社サービスをご利用いただき、営業組織の立ち上げ・型化・リーダー育成を目的とした伴走支援が始まりました。
今回の支援について、プロジェクトを推進された黒須さん、部長の浦田さん、営業リーダーの服部さんにお話を伺いました。
 
 

プロジェクト概要

企業名株式会社マネーフォワード
ご支援対象の事業・商材マネーフォワード クラウド契約
ご支援内容SaaS営業組織の立ち上げ・営業マネジメント支援・案件管理の型化・リーダー育成
ご支援期間約1年半
ご支援前の状況 • 営業リーダーが不在で、SaaSセールスの基準を示せる人材が不足していた • 営業定例が報告中心になっており、意思決定や具体的な次アクションにつながりにくかった • メンバーごとに営業経験や時間軸が異なり、月内で予算を達成する意識にばらつきがあった • SMB向けSaaS営業として、多くの商談に向き合うだけでなく、事業開発の最前線に立つ意識を育てる必要があった
プロジェクトの主な取り組み • 営業定例に参加し、データをもとに着地予想や案件状況を整理 • 各メンバーとの「ヨミ会」を通じて、案件ごとの進め方・次の一手・受注確度を精査 • 月次目標から逆算し、どの案件をどのように進めるかを具体化する営業マネジメントを実施 • 価格交渉の対応・競合比較・提案姿勢など、SaaS営業としての考え方をメンバーにインストール • 成果を出しているメンバーの営業スタイルを言語化し、組織内に横展開 • メンバーの成熟度に応じて、問いかけ・型の提示・壁打ちを使い分けながら育成
プロジェクトの成果 • 案件管理や「ヨミ会」の考え方が組織の資産として定着 • 当時メンバーだった2名がリーダーへ成長し、「ヨミ会」の思想を後輩メンバーへ伝えられる状態に • 月次目標達成に向けた意識と、案件ごとの具体的なアクション設計が浸透 • SaaS営業は単なる販売担当ではなく、事業開発の先導者であるという認識が組織に広がった • 新卒・中途メンバーの間に、営業とは何か、SaaS営業はどうあるべきかの共通認識が形成された • リーダー・マネージャーが第三者と壁打ちしながら、マネジメントの方向性を確認できる体制が生まれた

■ 黒須さんへのインタビュー

さわべ: 本日はお時間いただきありがとうございます。まず、そもそも私に声をかけていただいた経緯を教えていただけますか?
黒須: 少し遡ってお話しすると、マネーフォワードに入る前の職場で、一度さわべさんに壁打ちしてもらったことがありました。その際、どのようなご相談に対しても真摯にご回答いただいたことが強く印象に残っており、今回ご相談させていただいた次第です。
さわべ: なるほど。それでマネーフォワードに移られてからはいかがでしたか?
黒須: 当時は小規模な営業組織でしたが、私の入社時点では前任の営業リーダーがちょうど退職された直後でリーダー不在の状況でした。さわべ: そういう状況の中で黒須さんはどういう役割で関わり始めたんですか?
黒須: 事業責任者から営業企画という役割で参画してほしいとの依頼を受け、まずは営業部の定例ミーティングに参加しはじめました。そこでは、各メンバーの意見は出るものの、論点がまとまらず会議としての成果が得にくい状況で、数値報告もSalesforce上のデータを提示するのみに留まっていました。そこでまずデータを用いて、現状の着地予想や個別案件の見通しを整理していったのですが、どうしても入り込めない感覚がありました。
というのも、私自身が「マネーフォワード クラウド契約」を販売してきた立場ではないので、どうしても客観的な数字ベースでしか話せないという課題がありました。加えて、営業組織内にSaaSセールスの経験豊富な人材が少なく、経験がまだ浅いメンバーに対して「SaaSセールスとはこういうものだ」というベンチマークを背中で示せる人がいなかったのです。そういったセールスイネイブルメント的な部分をインストールしていかないと、事業成長につながらないという危機感があり、さわべさんにご相談しました。
さわべ: 「事業成長」という言葉がポイントのようですね。
黒須: そうですね。前職のスタートアップ時代でも、営業組織がワークしない課題に直面しました。その際に自分自身が営業へロールチェンジして推進していくという選択肢もありましたが、私としてはマーケティングという領域に身を置きながらも、いかに事業を伸ばしていくかというところに向き合っていきたかったため、プレイヤーにはなりませんでした。
その結果、前職では営業組織を改善して事業を伸ばしていくところまでやりきれず、悔しさが残ったため、マネーフォワードではさわべさんとご一緒することで、事業の成果につなげていきたいという気持ちがありました。それに、営業で成果が出ないとマーケティングの予算や施策の幅にも制約が出てしまう、ということを前職で痛感していたので、なんとか営業を改善したいという気持ちは強くありましたね。
さわべ: そして実際にご一緒させていただいて、1年半が経ちました。率直に振り返っていかがでしたか?
黒須: 率直に申し上げて、ご依頼して本当に良かったと考えております。具体的に良かったと感じているのは2つありまして、1点目は、リーダーレイヤーと現場メンバーの双方の視点でプロジェクトに関わっていただいた点です。メンバーレイヤーで申し上げれば、マインドセットの変化が大きな成果でした。例えば価格交渉について、「価格交渉とはどういうものか」という根本の考え方をインストールしていただきました。
商談中の安易な価格交渉や、お客様が感じる価格への懸念に過剰に同調することなく、プロダクトに対する敬意を持って商談に臨みましょうということを伝えられる人材は、大変貴重だと感じました。
さわべ: もう1つはどんなことですか?
黒須: 2点目は、「SaaSの営業は事業開発の先導者である」という考え方をインストールいただいた点です。特にSMB領域のセールスは、日々数多くの商談に追われ、疲弊しやすい構造があると思っています。今回のプロジェクトにあたり、営業メンバーに課題をヒアリングした際も、同じような声がありました。
そんな中でさわべさんから、「SaaS営業とは、インサイドセールスがつないだ商談をこなすのではなく、事業を最前線で作り、プロダクト側にフィードバックを届け、新しい機能をさらに顧客に届ける最前線に立つ役割なのだ」という捉え方を示していただきました。
社内メンバーが発信するよりも、さわべさんのフラットな立場からおっしゃっていただくことで、よりメンバーに届いたと思っています。この考えをインストールできた点は、今回のプロジェクトにおける組織最大の資産となりました。
さわべ: ありがとうございます。もう1点、「ヨミ会」についてもお話いただけますか?
※「ヨミ会」とは各メンバーと1 on 1で個別の案件についての進め方について協議するミーティング
黒須: 「ヨミ会」ももう1つの大きな資産ですね。現在複数名の営業リーダーがおりますが、その育成はさわべさんのご支援と「ヨミ会」という仕組みがあったからこそ実現できたものと認識しております。
ご支援前は、数字の報告に終始し、月次目標達成のためにどのようなアクションを取るのかという突き詰めが不足している状態でした。
また、私自身も案件を直接追っているわけではないので、営業メンバーに対する踏み込んだ指摘が難しい状況にありました。
そこをさわべさんとの1on1を通じ、いきなり詰め込むのではなく1つ1つ関係を作りながら案件に向き合う姿勢を作っていっていただきました。そしてある程度1人で案件をリードできるようになったメンバーから、卒業していくような形で向き合ってもらったことで、当時のメンバーが無事リーダーに育ちました。
彼らにはしっかりと「ヨミ会」の想いが受け継がれ、他のメンバーや新卒メンバーへ伝えています。「ヨミ会」という仕組みが組織の資産として継承されている点に、大きな価値を感じております。

■ 服部さんへのインタビュー

別日程で、浦田さんと服部さんにお話を伺いました。
さわべ: 率直に私の支援内容で記憶に残っていることってありますか?
服部: いろいろありますが、強いて言うならば「ヨミ会」ですね。
さわべ: もう少し具体的に教えていただけますか?
服部: 私が入社したのが当時2024年9月頃でしたが、SaaS営業はまったくの未経験だったので、そもそもどうやって営業すればいいかわからなかったのです。
また、それまで経験してきた営業は顧客とのコミュケーションの時間軸が長く、SMBセールスのように月次で数字達成に向けて動く、という経験もありませんでした。そうした中でさわべさんに入っていただき、チーム全体で月の目標を達成しよう!という空気をつくっていただいたんです。
商談のテクニックだけでなく、月の予算をどう達成するのかというマインドセットが、「ヨミ会」で身についたと感じています。「ヨミ会」がなければ、達成への意欲が湧かないまま、漫然と営業を続けていたのではないかと思います。
さわべ: 服部さんはマネーフォワードに中途で入社されたわけですが、前の職場では、月内にやりきるという空気や習慣はなかったのでしょうか?
服部: なかったですね。半期ごとの評価だったので時間軸が異なり、結局最後の1ヶ月前にならないと火がつかない、という状態でした。その前に在籍した会社も、1ヶ月単位というより、年間でどれだけ利益を生み出したかを問う営業スタイルでした。その月に商談した案件を月内でクロージングするという経験は、それまでありませんでした。
さわべ: ご支援にあたり、わたしから「月内にやりきろう」「この案件はどうなっていますか」と、時に少し厳しいことも申し上げたかもしれません。それは服部さんには、どのように聞こえていましたか。「うるさいな」と感じることもありましたか?
服部: 毎週の「ヨミ会」は、正直に言うとはじめは嫌でした。憂鬱でしたね(笑)。
さわべ: 本音でのご回答ありがとうございます(笑)。逆の立場であれば煩わしいですし、案件や数字について突っ込まれて嬉しい人はいません。聞かれる側は嫌だろうと、こちらも分かってはいるんですけれどね。
服部: ただ、あの時の経験が今の自分をつくっていると、今では思います。入社して間もなく私は自分の予算を持つことになりました。さて、どうやって数字を達成しようかという局面になったとき、案件にどう向き合い、どう仕掛けていくかを学べたのも「ヨミ会」でした。参加することでそこで一気にマインドが変わって、ちょっとずつできるようになっていったっていう感覚です。
さわべ: 今では服部さんご自身もマネジメント側に立ち、「ヨミ会」を行う側になられています。メンバーの方に対して、当時の経験が活きていると感じますか?
服部: はい、とても感じています。予算達成に向けた意識づけはもちろん行っていますし、達成まであといくら残っているのかという確認も最初に行います。本当に基本的なところですが、営業として目標に対して今月達成するのか否かを、きちんと会話しながら確認し合う、という形ですね。
さわべ: 営業組織として当然の動きですよね。
服部: そうですね。でも当時はそれがチームとしてなかなか徹底できていなかったですね。
さわべ: そこで私は営業担当者一人ひとりが持っている案件を精査し、その案件の次の一手を考えられているかどうかを詰めていく中で、月内の予算達成への意識を醸成していきました。
服部: 基本的なことかもしれませんが、とても効果があったと思います。
さわべ: それは良かったです。貴重なご意見をありがとうございます。予算目標に対して細かく追っていく、月末に追い込む、ということをしていない営業組織は、実は多いと思います。
服部: そうなんですか。
さわべ:
例えば200万円に対して今いくらか、という足し算・引き算レベルのコミュニケーションを行っている会社は多いと思います。しかし、予算に対してあと20万円足りないというとき、どの案件で補うのか、というところまで話している組織は多くありません。そもそも「受注確度が高い」と言うけれど、それは本当に高いのか、というところも細かく確認していきます。よく聞いてみると、営業担当者の意気込みでそう言っているだけ、ということも珍しくありません。
「意思決定プロセスは確認したか?」「それはすでに上司は把握しているのか?それとも今から上申するのか?」など、かなり細かいところまで確認します。予算を達成するために案件を精査するには時間がかかりますが、結局は一件ずつ見ていくしかありません。そして、これが非常に時間がかかるのです。そのため、案件の細部までは見ず、表面的な数字の足し算だけを行っている営業マネージャーが多い。私からすればそんなのエクセルでできるし、マネージャーの存在意義とは?と思っています。
服部: まさに、そこを徹底してやってくださいました。また、さわべさんが外部の方だからこそ、私たちも受け止めやすかったという面もあります。直接の上司から言われるのとは、少し違いますよね。
さわべ: 社外の人間だからこそこちらもズバッと言えますし、みなさんも耳を傾ける、ということはあるのではないでしょうか。
服部: そうですね。社外の方に言われると刺激になります。
さわべ: 自分で聞くのも変なのですが、服部さんから見て、私のような人間が支援に入ることで機能する組織とは、どのような組織だと思いますか?
服部: やはり、当時の私たちのように、組織の過渡期で、マネジメント体制の確立が急務、という組織でしょうか。加えて、nice to haveの商材を持っている組織ですね。そのnice to haveの商材を、must haveへと変えていくような営業組織には、うってつけだというイメージがあります。
さわべ それは、いつも意識しているポイントなので、嬉しいお言葉ですね。
服部:さわべさんは単にスキルやテクニックを教えてくれるだけでなく、マインドから変えようとする方です。ですから、文化醸成から根付かせたいという組織には合うと思います。
さわべ: そこも日頃から意識している部分なので、言及いただけて嬉しいです。
服部: 細かい話かもしれませんが、さわべさんから困難な局面における対応方法を学べたのも思い出です。
さわべ:「競合製品のほうが安心感がある」、とフィードバックがあった場合のお話ですかね。例えば、お客様が契約書の電子化だけを求めていて、ワークフローなどの周辺機能は不要、というケースであれば、正直なところ、クラウド契約ではなく他社製品のほうがマッチすることもあります。多くの営業担当者は、そこで何とか自社サービスのほうが良いと、背伸びした提案をしようとします。しかし、やはり無理が生じますし、それはお客様にも伝わってしまうものです。そうした時は、他社製品のほうが良いですよ、とはっきりお伝えするほうが、人として誠実だと考えています。お客様にとって本当にベストな提案をすることが大切ですし、それが結果として、お客様からの信頼を勝ち取ることにもつながると信じています。
服部: 私もそう思います。当時の私はとても助かりました。
さわべ お客様に本当にベストな提案をする。お客様にとってベストな状態を考えれば、時には他社製品をお薦めすることもある。これまで多くの営業担当者を見てきましたが、そこまで言い切れる人は少ないんです。「そんなことを言って大丈夫なのか」と不安になる人が多い。しかし、誠実に向き合って営業していれば、絶対にその姿勢のほうが良いと確信しています。
服部: そうですね。最初は難しいですけどね。
浦田 私からも一言よろしいでしょうか。さわべさんのマネジメントのやり方が、当社にフィットしたのだと思います。さわべさんは、いわゆる問いを投げかけるスタイルですよね。問いを投げかけ、本人に自走して考えてもらってよしとする。そこがアンラーニングのきっかけにもつながりますし、その点を意識されているからこそ、当社に合ったのだと思います。さわべさんの一番良いところは、答えをご自身から提供しないところだと感じています。
さわべ: ありがとうございます。一方で、問いかけのスタイルが万人に当てはまるかというと、そうでもないのが難しいところです。問いを投げると迷ってしまう人もいます。自分で考えて納得したい人もいれば、指示してもらえれば走れます、という人もいます。また、今は考えるのが苦手でも、少しずつ思考を回せるようになる人もいます。その人が今どのフェーズにいるのかは、かなり意識していますね。
服部: 私は、問いを投げてもらうやり方が合っていました。一方で、他のメンバーにとっても同じように良いかというと、違う気もします。そうやって、人によって指導のスタイルを変えていただけたことも、非常に良かった点だと思います。
さわべ:その人には問いを投げかけたほうが良いのか、それとも枠組みだけ設定したほうが良いのか。そこはかなり気にしています。マネジメントは、奥が深いですね。
※ここで服部さんが次の予定のため退出される

■ 浦田さんへのインタビュー

さわべ: 営業部長としての浦田さんから見て、印象的だった取り組みはありますか?
浦田: さわべさんの良いところはいくつかありますが、一つは、先ほど服部からもあった「ヨミ会」ですね。案件一つひとつの捉え方について、「ヨミ会」を通じてメンバーを鍛えていただき、それが結果としてリーダー育成につながり、確立できた点は良かったと思っています。
先ほどの「問いのマネジメント」が当社で機能し、ミドル層をしっかりとリーダーに育成できたことは、組織にとって非常に大きいです。SMBの営業としてプレイングマネジメントできる全体感をつかめたという点でも、さわべさんのおかげだと思っています。
もう一つは、方向性が合っているかどうかを相談できたことです。現在のリーダーたちが迷いながら業務に取り組む中で、これが自分のやり方で合っているのか、という確かめどころを、さわべさんとの壁打ちを通じて解消できた経験が数多くありました。社内の人間ではないけれど、営業全般に精通し、マネジメントも分かる第三者がそう言うのであれば大丈夫そうだ、と安心できる感覚です。「ヨミ会」やSlackで気軽に相談できたことも、本当に助かりました。
さわべ: ありがとうございます。「ヨミ会」を通してリーダー育成ができて、チーム全体としても方向性を間違わずにまっすぐ進められたみたいな感じでしょうか。
浦田 そうですね。SaaS営業の経験と、第三者的な立場からの指導のおかげで、今のリーダーたちが小さな成功体験を積めたことは、本当に良かったです。
また、新卒社員に対しても大きな影響を与えていただいたと思います。何もない中で、こう進めればよいのだ、という基盤をきちんとつくれたのは、さわべさんにフォローいただいたからです。そのおかげで、営業とはどういうものか、SaaS営業はどのような売り方をするべきか、という共通認識をつくることができました。
さわべ: 褒めてくださりありがとうございます(笑)。
浦田: 先ほど服部からもあったように、まだ成熟していない組織が、これからグロースして組織をつくっていくフェーズには、本当にぴったりだと思います。一方で、一定成熟している組織においても貢献いただけるかなと思っています。新卒で入ったメンバーが、配属されてから上司でも先輩でもない、第三者的な視点でモチベーションケアしてもらったり、「あのメンバーは今こういう部分を気にしていますよ」と共有頂いたりするだけでも、上司目線でいうとかなり助かります。
上司一人では、メンバーのすべてを見きれませんから。成熟した組織だからこそ、上司やリーダーだけではフォローできない部分を、さわべさんがハンズオンで入って拾ってくださるイメージは、十分に湧きますね。私自身も、さわべさんの意見を聞いて、自分の考えやイメージと答え合わせをすることはよくありました。また、自分からは言いにくいことを、さわべさん経由で伝えていただくこともよくありました。
さわべ: 上司からじゃなくて私から伝える方が有効ってやつですかね。
浦田 はい、まさにそれです。うまく活用させていただいた場面がありました。
さわべ マネジメントは、一筋縄ではいきませんよね。
浦田: そうですね。メンバーそれぞれが持つ観点は異なりますし、課題認識を本人が本質的に捉えていなければ成長しません。頭ごなしに指示するのも違います。いかに本人に気づかせるかは、非常に難しい問いだと思います。
さわべ: 私がこんなことを聞くのはポジショントークかもしれないのですが、マネージャーとメンバーに加えて第三者の人間が入ることで上手く回ることって多いと思っています。マネージャーもメンバーもお互いを選べませんし、馬が合う・合わないという話も当然あります。そうした状況では、第三者がいたほうが良いのではないかと考えています。
浦田: 非常に価値があると思います。斜めのマネジメント、という感じでしょうか。マネージャー、メンバー、そしてもう一人、という三角形で話すのは、とても良いと思っています。その際、誰にでもというわけではなくさわべさんに相談してもらえれば、営業の解像度も高いので、より具体的なマネジメントを一緒に行える。これは大きいです。違う視点でのメタ認知をつくる効果もありますし、逆にマネージャーに対しても、さわべさんから提言いただいたり、時に「それは間違っていますよ」とはっきり言っていただくことで、マネージャー自身のメタ認知や客観性が高まります。メンバーとマネージャーの双方に良い影響を与えてくださったので、メリットは大きいですね。
さわべ: ありがとうございます、勇気づけられます(笑)。
浦田: さわべさんご自身が人格者であり、どのような会話でも的を外さず、酸いも甘いも経験されています。売上の数字を出してきただけのスペシャリストではなく、マネジメントや育成も経験されているバランス感覚をお持ちで、その点が、他のプロフェッショナルとは少し違うのだと感じています。
さわべ 最後に「マネーフォワード クラウド契約」についての展望を教えてください。
浦田 引き続き、プロダクトの体験価値を伝え、ユーザーを増やしていきたいですね。取り組みの内容自体は大きく変わりませんが、AIを前提とした新機能を実装するなど、法務領域全体のテック化・AI化が進んでいますので、その流れに合わせてプロダクトを進化させていく方針です。